COLUMN

なぜ英語教育に動機づけと習慣づけを導入する必要があるのか?

2021.12.1

Why you learn determines how well you learn. ―anonymous

企業の語学研修に来る受講生は、必ずしも自分から学習したくて来ている人ばかりではない。上司や人事に指名されて「いやいや」来ている人も多い。

“ダイエットの成否を分けるのは、正しい理論を積み上げて教えることではない。どれだけ強く動機づけができるかが重要なのだ”
これは、パーソナル・トレーニングジムのRIZAPの本『人は変われる』の一節である。まったくそのとおりである。モチベーションがなければどんな物事も始まらない。そういうわけで、弊社では「動機づけ」を研修に組み込んでいる。

「動機づけ」に次いで弊社が研修で重視しているのが「学習習慣づけ」だ。こちらも研修では取り上げられることが少ない領域だが、その重要性は言うまでもない。

以前、語学研修会社で営業兼コーディネーターとして勤務していた頃、ネイティブ講師にこう言われたことがある。「企業の英語受講者や教育担当者は、wishfulすぎやしないか?週1回90分のレッスンをしても、英語がしゃべれるようにはならないのに、期待しすぎている」。ここでのwishfulは、ありそうもないことを願っている、という意味だ。レッスンを提供する側がこんなことを言っては元も子もないが、真実だ。週1回外国語の会話練習では、しゃべれるようにはならない。考えてみてほしい。赤ん坊は語学の天才、と言われるが、その天才でも、週1回2時間のペースでしか日本語に触れなかったとしたら、いったい何歳で日本語をしゃべれるようになるのだろうか?外国語学習で大事なのは、毎日コンスタントに学習すること。だから弊社の研修では、動機づけに次いで、習慣づけを扱っている。「やる気はあるんだけど、行動できない、続かない」という人たちのために、時間に対する心構え、そして英語学習習慣を作るポイントを伝授している。

そして最後に、第二言語習得研究をベースにした、英語学習法のノウハウをお伝えしている。6年以上学校で勉強してもしゃべれるようにならなかった反動から、多くの人が英会話スクールの門を叩いたが、それでも殆どの人は英語をしゃべれるようにはなっていない。なぜ英語をしゃべれるようにならないのか?どうすればしゃべれるようになるのか?その仕組みをお伝えし、正しい英語学習へと導く。

「動機づけ」「学習習慣づけ」「英語学習法」は、有機的に、相互に影響している。「動機づけ」と「学習習慣づけ」を行えば「英語学習法」を学ぶ効果は高まるし、「英語学習法」を学ぶことで自信が湧き、そこから「動機づけ」も高まる。「動機づけ」「学習習慣づけ」「英語学習法」は3つセットで最大の効果を発揮するのだ。

前述のライザップは、パーソナルジムで培ったノウハウを生かし、英語学習の習慣化を身につけるための英語コーチングスクールを展開している。また、PROGLITやENGLISH COMPANYといった英語コーチングスクールも普及してきている。いずれも共通するのは、モチベーションや習慣形成を重視した英語学習サービスということだ。日本の英語学習者は、試行錯誤を経て、少しずつ、従来のネイティブに「教わる」形態から、自ら「習慣的に学ぶ」にシフトしてきている。これは明らかに好ましい方向性である。弊社も引き続き、「一人でも多くの人が”自律的な”学習習慣を身につけ、英語で広がる仕事・人生を楽しめるようになること」の手助けをしていきたい。

多数の外国語をものにするのに、特別な才能など必要ありません。わたしの考えでは、芸術を除くあらゆる人間の活動の成果とか効力とかいうものは、関心の度合と、この関心の対象を実現するために費やされたエネルギーの量いかんにかかっているのです ― ロンブ・カトー(16か国語習得翻訳者)

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